陽光が射す春の首都ワシントン。ホワイトハウスから目と鼻の先にあるホテルで朝を迎えた。世界中の都市を旅する際に心がけることのひとつは、なるべく中心部のホテルに投宿すること。会合や面会に便利なだけでなく、都市の生態を垣間見ることができるからだ。本来のスケジュールにない旅の意外性に遭遇できる最前線でもある。 中国の胡錦濤国家主席が四月中旬にワシントンを訪問したときも、運良くその現場に立ち会うことができた。とはいってもホワイトハウスに足を踏み入れて米中首脳の記者会見を傍聴したわけではなく、親中派と反中派の集会を間近で観察することができたに過ぎないのだが。

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