よその夫婦のことを心配しても始まらないが、ビルとヒラリーのお伽噺は、この先どうなるのだろう。 ヒラリー・クリントンにとって当面のヤマ場は、今年秋の中間選挙だろう。彼女はいま、ニューヨーク州選出の連邦上院議員。アメリカを経営する百人の重役の一人といっていい。早くも演説や資金集めのパーティをしている。有力なライバルもいないから、再選確実といって間違いない。人気も上々だそうである。だがこれが、傍目に見るほど簡単ではないという。 彼女はニューヨークに縁もゆかりもない、いわゆる落下傘候補である。そしてニューヨークには、東京では想像もできないほどの強い「わが町」意識がある。一例がメトロポリタン歌劇場、幕間のロビーに満ちる「あーら、しばらく」で始まるお喋り。一度のベルくらいでは、なかなか客席に戻ってくれない。あの賑やかさ、東京文化会館や歌舞伎座にはないものだ。
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