私は、音楽とは生きる喜びであり、ときには、生きる悲しみにつながっているのだと感じています。人間はうれしいときにも、悲しいときにも歌を歌います。生きることと音楽は切っても切れない関係にあるのです。健康な人の心も揺らす音楽ですから、病を得た患者さんの心には、よけい響くことは容易に想像できます。患者さんには、音楽は天使が奏でる調べに聞こえるのではないでしょうか。三井記念病院では患者さんの為に一月に一度ボランティア・コンサートが開かれています。
ボランティア・コンサートを聴きに来られる患者さんの中には手術待ちの方、手術が終わってほっとした方、内科の病気で手術はしないけど点滴治療を受けている方やそのご家族やお見舞いに来られた方などがおられます。車いすや移動用のベッドで来られる方もおられます。闘病生活の中で、ひと時でもほっとする時間を持ちたいと思われているのだろうと思います。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン