人生と同様、政権にもここを乗り切れるかどうかが運命の分かれ目という難所がある。戦後有数の長期政権を築いた中曽根康弘元首相や小泉純一郎前首相にしても、足を踏み外せば一巻の終わりという政権の難所を経験している。 中曽根氏でいえば、首相就任一年後に挑んだ一九八三年十二月の衆議院解散・総選挙がそれだ。政権の後ろ盾だった田中角栄元首相に対するロッキード事件有罪判決がたたり、自民党は過半数割れ。窮地に陥った中曽根氏は、「いわゆる田中氏の政治的影響を一切排除する」との異例の声明を発表。新自由クラブとの連立交渉をまとめ、修羅場を切り抜けた。
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