自民党は振り子の振幅が激しい政党で、左がだめなら右、右がだめなら左に振って目先を変え、長期政権を維持してきた。 戦後生まれで右の安倍晋三前首相がこけると、今度は「もう年だから」と総裁選出馬を辞退していた左の福田康夫氏。就任直後の世論調査の支持率は上々で、当面の危機を切り抜けた。 しかし、福田氏自身が「場合によっちゃ貧乏クジかもしれんよ」「一歩でも間違えれば、自民党が政権を失う」と認めるように、次回総選挙次第で野党に転落しかねない背水の陣内閣だ。「プライドが高い」「皮肉屋で冷淡」「人付き合いが悪い」といわれる福田首相は名門・福田家のプリンス。わが国の政治史上初めて親子の首相就任が実現した。それにしても、福田家だけでなく、鳩山家、石原家、麻生家など「日本のケネディ家」が多すぎる気がする。
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