日本帰りの「黒い法王」が目指すアジア布教

[ローマ発]流暢な日本語を話す「東京育ち」の神父が、カトリック修道会のなかでもひときわ大きな影響力をもつ「イエズス会」の第三十代総長(法衣の色から「黒い法王」とも呼ばれる)に選出された。一月十九日、世界中からローマに集まった二百十七人の代表による決選投票で選出されたアドルフォ・ニコラス神父(七一)は、スペイン人だが、一九六〇年に地元大学を卒業した後、六四年に日本に渡り、六八年には上智大学神学部も卒業して、以来、教授として二〇〇三年まで上智大学で教鞭を執っていた。 アジアに通じた総長の選出は、アジアへの布教活動を活発化させるカトリック教会の意欲の現れと解釈できる。バチカンにとって、イスラム教が急伸長するアジアへの伝道は大きな課題であるからだ。

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