政府・与党は「医薬品庁」の新設に向け、検討を始めた。これまで問題の多かった薬事行政を一元化し、厚生労働省とは別の組織に担わせる構想だ。表向きの狙いは「薬害の再発防止」だが、その内実はどうか。 構想は自民党主導で動き出した。官僚は権限縮小に何より敏感なはずだが、厚労省の抵抗は弱い。理由は二つ。一つは、エイズ、肝炎と相次ぐ薬害で監督責任を問われ、「薬事行政を手放したい」と思っていること。もう一つは、技官としての省内の地位が医師より低い薬剤師が、新組織で“独立王国”を築くのも悪くないと考え始めていることだ。
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