80時間世界一周
80時間世界一周 (51)

ジャマイカに根を張る「カリブの漢族」たち

執筆者:竹田いさみ 2008年11月号
エリア: 中南米

「ハロー・ミスター・チン!」と、カリブ海の観光地、ジャマイカで見ず知らずの人に臆面もなく挨拶され、戸惑う。 不思議なことにジャマイカでは、東洋系アジア人を「チンさん」と呼ぶことが、ごく当たり前らしい。長年ジャマイカに住む日本人でも、顔見知りのジャマイカ人から、しばしば「チンさん」と声をかけられるそうで、いつまで経っても中国人扱いだと嘆く。ローカルコミュニティーでは日本人の存在感(在留邦人は二〇〇七年に百八十五人)は小さく、中国系ジャマイカ人が幅を利かせる。 日本からの直行便はなく、ジャマイカ島に辿り着くのはたいへんだ。ニューヨークやフロリダなどでどうしても一泊しなければならない。日本人にはブルーマウンテン・コーヒーや、ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」でお馴染みの国だ。映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の舞台設定はチャールズ要塞の遺跡が残るポートロイヤルだが、ここまで足を運ぶ日本人ツアー客はさほど多くない。

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執筆者プロフィール
竹田いさみ 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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