新興国で世界金融危機の打撃を最も受けているのがロシアだ。頼みの石油価格は下落し、株価は7割強も暴落。企業の倒産や労働者の解雇が続き、銀行の取り付け騒ぎも伝えられる。 巨額のオイルマネーでロシアの鼻息が荒かったのは過去の話。首都モスクワの建設工事はストップし、ブランド店は閑古鳥が鳴いている。短期間での不況到来は、ロシア経済が資源依存の「油上の楼閣」だったことを示した。 ロシアの苦境を見ると、イソップ寓話の「アリとキリギリス」を思い出す。製造業をさぼり、外国製高級車やブランド品を買い漁り、海外旅行を謳歌したキリギリスのツケは、アネクドートの世界にも投影されている。
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