増益で勢いづく大手銀行 しかし不安要素も

執筆者: 2009年5月号
タグ: 中国 日本
エリア: アジア

 中国の国有大手商業銀行が、金融危機を追い風に世界市場で存在感を強めている。金融危機で大幅な赤字を計上している日欧米の金融機関とは対照的に、中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行の大手三行の二〇〇八年の税引き後利益は、前年比一四―三五%の大幅増となった。世界の銀行の株式時価総額ランキングでは、この三行をはじめ中国勢が上位を独占している。 最大手の中国工商銀行の〇八年の税引き後利益は一千百十二億元(約一兆六千億円)と前年に比べ三五・二%増。金融危機の影響で外国債券などへの投資損失は約四十億元増加したものの、昨年半ばに中国政府の金融政策が引き締めから緩和に転じたことなどで融資残高が膨らみ、利息収入が一七%増えた。中国建設銀行、中国銀行もそれぞれ三四・〇%、一四・四%の増益となった。

カテゴリ: 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top