[テヘラン発]破壊されたバス停。焼け焦げた金融機関や大学の学生寮。そして散乱する薬莢――。六月十二日に行なわれたイラン大統領選挙で、保守強硬派のアフマディネジャド大統領が改革派のムサビ元首相をダブルスコアで下したと発表されると、テヘラン市内で若者たちの怒りが大規模デモとなって爆発した。 選挙戦は一九七九年のイスラム革命以来の熱狂を見せた。街にはムサビ陣営のシンボルカラーである緑色があふれ、「緑の革命」とも呼ばれた。支持者の多くがムサビ氏の勝利か、少なくとも決選投票にもつれ込む接戦を予想していただけに、結果発表に「不正」のにおいを嗅いでいた。
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