いよいよ始まるパナマ運河「百年目の大拡張」

世界の物流を左右する巨大プロジェクト。その影響を見越して海運関係者は次の一手へと動き出している。[パナマシティ発]パナマ国内の、とある秘密の場所――複数の監査人と武装兵士が監視するなか、パナマ運河庁高官が総額五十二億五千万ドル(約五千二百五十億円)にのぼる運河拡張工事の最重要部分である水路建設の入札書類を精査している。現在パナマ運河を航行する船の三倍近い積載量をもつ「スーパーサイズ」の船が航行できるよう、太平洋側とカリブ海側の二つの水路を拡張する工事の施工業者を選定するための入札だ。 早ければ六月中にも、パナマ運河庁は提案書を出した三つの企業グループの中から施工業者を決定する。そのうちの一つは、米最大手ゼネコンであるベクテル、日本の大成建設と三菱商事を含む共同企業体だ。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top