公務員制度改革も支離滅裂だった鳩山政権

執筆者:原英史 2010年6月4日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 鳩山由紀夫総理の辞意表明時の演説を聞くと、政策面では良いことをやってきたが、「政治とカネの問題で、国民が耳を傾けてくれなくなった」という自己評価だったようだ。しかし、政策面の成果は本当にあがっていたのか。マニフェストの最初に掲げていた「脱官僚」や「天下り根絶」さえ、全くできず仕舞だったのではなかろうか。
 普天間問題の大混乱の陰で国家公務員法改正案の審議が着々と進んできたことは、本誌Web版の白石均氏「『逆コース』が極まる公務員制度改革」(2010年5月21日)でも紹介されているとおりだ。鳩山内閣の「逆コース」法案に対し、自民党・みんなの党は、塩崎恭久議員(自民党)、山内康一議員(みんなの党)らが中心となって、議員立法で対案を提示した。しかし、5月12日には衆議院内閣委員会での強行採決で政府案が可決され、その後、審議の場は参議院に移った。

 強行採決の場面は、三宅雪子議員(民主党)の転倒事件もあって多少注目を集めたが、審議の中身はほとんど報道されていないままだ。鳩山総理の辞任により法案審議の行方は不透明になったが、どさくさに紛れ、この法案がこのまま成立する可能性も否定できない。また、仮に今国会では廃案になっても、菅直人新内閣に方針が引き継がれ、秋の臨時国会で同様の法案が再提出される可能性もある。
 筆者は、野党側の法案提出者の補佐人として衆議院内閣委員会に陪席し、審議の様子を現場で見てきた。鳩山内閣の提示した公務員制度改革案の是非を明らかにするため、その様子をレポートしておきたい。

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執筆者プロフィール
原英史 1966(昭和41)年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、大阪府・市特別顧問などを務める。著書に『岩盤規制―誰が成長を阻むのか―』、『官僚のレトリック』など。
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