共和党を揺るがすティーパーティー運動

執筆者:足立正彦 2010年9月17日
エリア: 北米

 米国時間14日に実施されたデラウェアやニューヨークをはじめとする5州での予備選挙は、共和党予備選挙プロセスにおけるティーパーティー(茶会党)運動の強さを改めて認識させられる選挙結果となった。同時に共和党にとり茶会党運動は、撹乱要因となることも再び明らかになった。

 共和党エスタブリッシュメントが擁立する候補を破ってデラウェア州選出共和党上院議員候補の指名を獲得したのは、茶会党勢力やサラ・ペイリン前アラスカ州知事、共和党内財政保守派の重鎮ジム・デミント上院議員(共和党―サウスカロライナ州)らの支援を受けたクリスティン・オドネルだ。同州選出上院議員選挙で、かつて二度、ジョゼフ・バイデン(現副大統領、民主党)に挑んで敗北した経歴がある。だが、今回、オドネルは、現職下院議員であり、デラウェア州知事を二期務めたベテラン穏健派政治家のマイケル・キャッスルに得票率6ポイント差をつけて勝利した。茶会党勢力は選挙キャンペーン終盤に、キャッスル追い落としのために25万ドル以上の政治資金を注ぎ込んでいた。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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