総理のボーナス500万円強の算定根拠

執筆者:原英史 2010年12月12日
カテゴリ: 政治
エリア: アジア

 

 総理大臣以下、政府職員へのボーナス支給が12月10日に行われた。
 ボーナス額は、総理大臣:約508万円、国務大臣:約371万円、事務次官:約287万円、国会議員:約278万円など(6月2日以降在職している場合)。(参考:総務省公表資料
 
 このボーナス額の算定根拠は、先週の記事(「菅政権が膝を屈した『人事院支配』の実態」)で記したとおり、人事院勧告だ。
 総理大臣のボーナスなど、本来、人事院の預かり知らない話のはずだが、なぜか、「人事院勧告に準じて」取り扱われた結果である。
 
 これに関して、先週、興味深い政府見解が公表された。
 松田公太参議院議員(みんなの党)の質問主意書に対して、12月7日、閣議決定された答弁書だ。
「なぜ総理や国務大臣の月給は▲0.2%、ボーナス▲0.15月分の減額にとどめたのか?」という質問に対し、政府の答弁は、
(1)総理や国務大臣の給与改定幅(▲0.2%、▲0.15月)は、「給与の均衡等を考慮することが適切であると判断した」ため、事務次官や局長に準じて扱った、
(2)事務次官や局長の給与改定幅は、「従前から改定に当たって参考としている民間企業の役員報酬を大幅に下回っている」ことなどから、この程度の引下げにとどめることが妥当と判断した、
というもの。
 
 要するに、「本来ならば、民間企業の役員報酬並みに大幅に引き上げてもよいところであって、これ以上大幅に引き下げるいわれはない」というわけだ。
 政府の経営陣の給与は民間の役員報酬と比べて低すぎるという議論は、かねてより時折出てくる。政府の経営成績が良いときならば、あってもおかしくない議論かもしれないが、少なくとも現状ではどうなのか。
 
 松田議員の質問にもあるとおり、経営状況の悪くなった民間企業ならば、経営トップなど責任ある上位者ほど、思い切った報酬削減をするのが当たり前だ。
「民間企業の役員報酬を参考に」というならば、こうした面も「参考に」したらよいと思うのだが。
 
 
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執筆者プロフィール
原英史 1966(昭和41)年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、大阪府・市特別顧問などを務める。著書に『岩盤規制―誰が成長を阻むのか―』、『官僚のレトリック』など。
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