二十一世紀が始まるのは厳密にいえば二〇〇一年である。二〇〇〇年で新しいミレニアムが始まるのなら、最初のミレニアムは九九九年しかなかったことになる。だが、このようなことを言ってみても仕方がないようだ。西暦に取りつかれている世界においては、二〇〇〇年一月一日をもって、新しい世紀、そして新しいミレニアムの開始だと見なしている。
いかなる年のいかなる一日であっても、それぞれ歴史上、一回しかないユニークな一日であって、どの一日も百年に一度、千年に一度の珍しい日である。それにもかかわらず、下二桁が〇〇になる年、ましてや下三桁が〇〇〇になる年の元旦は特別だと感じるのが人情なのであろう。

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