【今月の2冊】 「中国人」として生きた日本人女性の数奇な物語

執筆者: 2000年4月号
カテゴリ: 国際 書評
エリア: 中国・台湾

「どんなことがあっても私が、夫を見捨てるわけにいかないのは、それが中国人として生きてきた私の人生の現実だからである。私は、人生の最終局面を迎えるに当たって、中国でこんな生き方をした日本人もいたという事実を残すために、この拙い文章を綴った」(韓瑞穂著・伊藤正監修『異境』新潮社刊 一七〇〇円) 著者は戦時中に“敵国人”であった中国人と結婚して中国に渡り、人生の大半を動乱の中国で生き抜いてきた日本人女性である。 彼女は一九四三年、日本に留学中だった韓向辰氏と結婚し、翌年夫と友に北京に渡る。韓家が共産党の地下連絡所だったことから、夫と共に革命に身を投じ、八路軍の軍医となって、身重の体を抱えながら国民党との戦闘に参加。中華人民共和国の成立には、同志たちと感動の涙を流した。

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池内恵の中東通信

池内恵(いけうちさとし 東京大学教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について日々少しずつ解説します。

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