国際論壇レビュー

最恵国待遇付与をめぐる米中の思惑

執筆者:田中明彦 2000年6月号
エリア: 北米 アジア

 この一カ月間、世界の関心を集めた問題といえば、アフリカ西部のシエラレオネで武装勢力が国連平和維持部隊を拘束したことであり、そして、やはり中国に関してだった。

 シエラレオネでは、武装勢力と政府軍や国連平和維持軍との対決が続いていたが、武装勢力の指導者であるフォデイ・サンコーが逮捕された後、国連部隊はようやく解放された。しかし、この事件が示唆するように、アフリカ情勢は困難を極めている。

 この問題についての『エコノミスト』誌の社説のタイトルは「希望のないアフリカ」であった(“Hopeless Africa,”五月一日号)。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
田中明彦(たなかあきひこ) 1954年、埼玉県生まれ。東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了(Ph.D. 政治学)。東京大学東洋文化研究所教授、東京大学副学長、国際協力機構(JICA)理事長、政策研究大学院大学学長、三極委員会アジア太平洋地域議長などを経て、2022年4月より再び国際協力機構(JICA)理事長に就任。著書に『新しい「中世」―21世紀の世界システム』(サントリー学芸賞受賞)、『ワード・ポリティクス―グローバリゼーションの中の日本外交』(読売・吉野作造賞)、『アジアのなかの日本』、『ポスト・クライシスの世界―新多極時代を動かすパワー原理』など。
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