バブル後最高益に浮かれている余裕はない 野村、大和、日興の証券大手三社がそれぞれ固有の経営課題を抱え、悩んでいる。最大手野村は氏家純一社長のもと、業績も順調にみえるが、内部ではポスト氏家をめぐって「リテール派」vs.「ホールセール派」の対立が激しさを増している。住友銀行の資本参加を仰いだ大和は、合弁で設立した投資銀行で人材の融和がしっくりいっていない。米国のシティ・グループが筆頭株主となった日興では、金子昌資社長の「米国流経営」に社内外で様々な軋轢が生じている。 以前の証券業界は野村が大蔵省と調整して道を開き、大和以下がそれに追随するというのがパターンで、経営の課題は基本的には変わらなかった。だが、九七年の山一證券破綻に代表される業界の大変革を経て、証券大手三社は独自の道を歩き始め、それぞれが異なった課題に直面することになった。

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