アメリカは外科医のような手つきで、アフガニスタンへの攻撃を始めた。術前の血液検査、CTスキャン、負荷テスト、すべてやった。頭に布を巻いた髭ヅラの患者は、手術台の上。メスを入れるべき個所には、マジックでマークがしてある。まず皮膚を切り、血管に達すればクリップで挟んでおいて切り進む。血は流れるが、無用の血は流さない……。 ブレア英首相は「無為は行動より危険だ」と言った。外科手術中に多少の血は流れる。だが国際テロリズムという患部を放置しておけば世界は病毒に冒され、やがて文明は野蛮へと退化して死に至る危険がある。
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