去年の九月十一日、ニューヨークとワシントンがテロにやられる日まで、ブッシュ米大統領とホワイトハウスはロクな中東政策を持たず、ましてアフガニスタンのことなど考えたこともなかった。 その間に、ヒンズークシに泥の家を建てて住むアル・カエダは、パレスチナのユダヤ国家を抹殺するため、イスラエルの大旦那であるアメリカの心臓部を衝く計画を練り、手はずを整え、旅客機を乗っ取って自爆し、何の罪もない三千人を殺し、ニューヨークの摩天楼群の中で最も美しい双柱を根こそぎにした。 それから一年が過ぎた。アメリカは覚醒したが、テロリストに動機を与えた中東の紛争は、解決の糸口すら見えない。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン