竹中平蔵経済財政・金融担当相を軸にした総合デフレ対策がまとまったが、日本経済の行方に対する不透明感はなおぬぐえない。改革への野心が最終局面で削り取られ、薄味の弥縫策に終わったのは誰の目にも明らかだろう。そんな中で、ちまちまと手柄を喜んでいる省庁がある。経済産業省だ。「産業再生のスキームはわれわれの想定したシナリオ通り。財務省や金融庁に任せていたら展望は開けなかった」。デフレ対策決定後、経済産業省の幹部らの多くは満足げに語った。産業再生機構は銀行から債権を引き取り企業の再生を目指す新組織。首相直轄の部隊であり、今回の対策の目玉である。不良債権処理を手がける整理回収機構(RCC)とは別の独自組織として、来春から動き出す予定だ。
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