シリコンバレーを包む「絶望なき不況」

執筆者: 2002年12月号
エリア: 北米

未曾有のバブル生成と崩壊――流入した巨額の資金が過剰設備と負債に転じ、すべての企業が後始末に奔走している。それでも彼らは未来に絶望しない。失敗から次の変革を生み出すシリコンバレーの強靱な競争力を検証する。[パロアルト発]世界のハイテク産業の中心地である米シリコンバレーが、長い足踏みを続けている。世界的な情報技術(IT)不況や長引く株安を背景に、資金力の乏しい新興企業だけでなく、世界を代表する大手ハイテク企業までもが迷走している。一九九〇年代、人類の歴史上、最も短期間で巨額の富を生み出したハイテク集積地は、果たして甦るのだろうか。

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