インテリジェンス・ナウ

イラク攻撃に向け激化するCIAとペンタゴンの主導権争い

執筆者:春名幹男 2003年1月号
タグ: CIA 大統領 ドイツ
エリア: 中東 北米

「片道切符や銃弾一発の費用は(戦費より)かなり安いとは言える」――。十月一日のホワイトハウスでの記者会見でアリ・フライシャー米大統領報道官はそんな言い方をして、フセイン・イラク大統領の追放や暗殺を歓迎する意向を表明した。 フライシャー報道官は、ジョシュ・ボルテン次席補佐官や大統領のスケジュール担当秘書ブラッド・ブレークマン氏らと並んで強力なユダヤ系のホワイトハウス・スタッフだから、アラブ系の人たちから強い嫌悪感が示された。だがそれ以上に、一部の情報専門家からは「暗殺は容易ではない」との強い疑問が出された。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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