「アメリカのための組織」と批判されるORHAが、大改組の気配を見せている。一向に改善しない生活環境にイラク国民の不満が募る中、新政権づくりに向け横車を押しつつ進むこの組織は、ブッシュ政権内部の焦りを映す鏡なのか。「自由なイラクへの第一歩を刻むのに、文明が誕生したこの土地以上の場所があるだろうか」。四月十五日、イラク南部ナシリヤ近くにある古代都市ウル。紀元前三千年に都市文明が発祥した土地で開かれたイラク内外代表による暫定統治機構(IIA)の樹立に向けた一回目の準備会合で、米復興人道支援室(ORHA)を率いるジェイ・ガーナー室長はマイクを握り、こう強調した。

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