「和平」の動きは露と消え、インドネシア国軍とアチェ独立派の争いが激化。このままでは、各地に紛争を飛び火させかねない。 一縷の望みを託して、日本政府は五月十七、十八日にアチェ和平会議を東京で開いた。インドネシアからの分離独立を求める「自由アチェ運動(GAM)」幹部と、独立の完全放棄を求めるインドネシア政府代表団を、何とか和平交渉のテーブルに着かせようとしたのが、この東京会議であった。実質的な交渉の仲介は、スイスの国際NGO(非政府組織)の「アンリ・デュナン人道対話センター(HDC)」が行ない、日本は米国、欧州連合(EU)、世界銀行とともに、アチェ和平・復興プロセスを支える四議長国の一員としてお膳立てをしたわけである。
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