英国において秘密情報部MI6(Military Intelligence 6)が第1次世界大戦中に設置された史実を受け、イアン・フレミングは秘密工作員007の所属する政府機関として、小説や映画に実名でこれを採用した。
シリーズでは、MI6の長官をM(エム)、装備担当責任者はQ(キュウ)と呼ぶ。Qの呼称は、英語のQuartermaster(装備担当者、軍需品担当の将校)の頭文字であることから、その由来に疑問を差し挟む余地はない。しかしМはミニスター(Minister=大臣)か、それともミスター(Mr.)やマスター(Master)かと、さまざまな選択肢が想定される。もっとも単純に考えれば、MI6の長官だから機関のイニシャルを戴いて、Mという説も成り立つ。一体、「M」の由来は何なのか。
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