『007』を旅して (3)

コードネーム「007」の謎に迫る(下)

コードナンバー「007」は女王と密接な関係があった?(2012年のロンドン五輪開会式にボンド役ダニエル・クレイグが女王陛下をエスコートするサプライズのワンシーン)(C)AFP=時事

 

 ドイツは第1次世界大戦中、中立国のスウェーデンを経由して、暗号電報をメキシコに送信したが、イギリス海軍省情報部の暗号解読班「ルーム40」はこれを見逃さずに、ドイツから複数のルートで送信された暗号電報を傍受していた。

 イギリスが、ドイツとの開戦を不可避と判断した直後に大西洋に敷設されたドイツの海底ケーブルを切断したことで、ドイツがイギリスの海底ケーブルを利用せざるを得なくなったことは、すでに前回(上)で述べた

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執筆者プロフィール
竹田いさみ(たけだいさみ) 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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