深層レポート 日本の政治 (44)

総裁選に向けて小泉首相が投げ込むど真ん中のストライク

執筆者: 2003年9月号
エリア: アジア

 小泉純一郎首相は朝が苦手だ。低血圧気味のせいか、午前中は大概、表情にも言葉にも張りがない。国会答弁や記者団とのやり取りでおなじみの小泉節が飛び出すのは決まって午後の部だ。 八月六日朝の広島原爆死没者慰霊式・平和祈念式でのあいさつはひどいものだった。ぼそぼそと蚊の鳴くような声で原稿を棒読みしただけ。マイクを通しても話はさっぱり聞き取れない。文案を練った首相秘書官は「いろいろ工夫したんだが」と落胆の色を隠せなかった。 しかし翌日は違った。甲子園球場での全国高校野球選手権大会の開会式。首相は別人のようにハッスルしていた。

カテゴリ: 政治
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