インテリジェンス・ナウ
前面に出たリビア情報機関「死の大使」の異名をとる男
政治とは騙しの技術である。ブッシュ米大統領が年末、リビアが大量破壊兵器の廃棄に合意したと発表した時、改めてそう思った。 大統領は会見でやたら「成果」を強調した。リビアは核兵器を開発していたが、アメリカの強硬な安保戦略に屈して、核兵器・化学兵器開発をすべてやめることになった――。そう印象付けようとする意図なのだ。 だが本当のところ、リビアの核兵器保有はまだ「数年先のこと」と、現場を視察したエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)事務局長は真相を漏らしてしまった。 リビアの大量破壊兵器が近隣諸国に脅威を及ぼしていた事実はない。リビアが危険視されたのは、国家テロに関与していたからだ。だがテロに関して、ブッシュ大統領は「リビアは対テロ戦争に全面的に取り組まなければならない」とあっさり言及しただけだった。
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