プーチンの後釜を狙う後継者たちの顔ぶれ

執筆者:名越健郎 2004年5月号
エリア: ヨーロッパ

[モスクワ発]「政権の後継者像を既に描いている。誠実で、国民に奉仕することを望み、能力的にそれが可能な人物だ」。三月十四日のロシア大統領選で七一%の得票で圧勝したプーチン大統領は、当確後の記者会見でこう明言し、二期で退陣する意向を示唆した。 ロシア憲法は大統領の三選を禁止しており、プーチン氏自身も「憲法は社会安定の基礎であり、改正の必要はない。改憲論議はやめるべきだ」(昨年十二月九日)などと再三、任期延長に反対している。「巡り合わせで大統領になったプーチン氏は巨大な重圧で疲れている。二期で余力を残して辞めるのが彼の本心だ」(リリヤ・シェフツォワ米カーネギー財団モスクワ支部主任研究員)といわれる。二〇〇八年の後継者問題が浮上するゆえんだ。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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