[モスクワ発]「政権の後継者像を既に描いている。誠実で、国民に奉仕することを望み、能力的にそれが可能な人物だ」。三月十四日のロシア大統領選で七一%の得票で圧勝したプーチン大統領は、当確後の記者会見でこう明言し、二期で退陣する意向を示唆した。 ロシア憲法は大統領の三選を禁止しており、プーチン氏自身も「憲法は社会安定の基礎であり、改正の必要はない。改憲論議はやめるべきだ」(昨年十二月九日)などと再三、任期延長に反対している。「巡り合わせで大統領になったプーチン氏は巨大な重圧で疲れている。二期で余力を残して辞めるのが彼の本心だ」(リリヤ・シェフツォワ米カーネギー財団モスクワ支部主任研究員)といわれる。二〇〇八年の後継者問題が浮上するゆえんだ。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン