【インタビュー】藤本隆宏(東京大学大学院経済学研究科教授) 日本の“ものづくり力”はまだまだ底上げできる
いま日本企業が構築すべき能力は、本社の戦略構想力、ブランド力だ。現場発の産業論を説く製造業研究の第一人者に聞く。――日本の“ものづくり”に対する見方が錯綜しています。中国脅威論に象徴される悲観論がある一方で、製造業の復活が進んでいるとの期待論もありますが。藤本 現在の議論は非常に大雑把でとっちらかっている。自動車とパソコンの本質的な違いを見ずに産業全体を「十把一絡げ」に論じ、さらに企業収益の増減とものづくりの力を混同する精度の悪い産業診断をしている。だから財務が良かった時は一方的に強気が、逆に悪かった時は弱気が支配する。
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