台湾の与党国民党の秘書長、金溥聡が月内の辞任を表明しました。金は馬英九総統の唯一無二の側近で、支持率低迷で選挙連敗の事態を受けて今から1年ほど前、日本で言うところの幹事長にあたる秘書長に就任しましたが、突然の辞意表明に、台湾政権に激震が走りました。
表むきの金のコメントは「段階的任務を終えた」とし、馬総統も2012年春の総統選に向けて、選挙チームに入ってもらうことになると取り繕いました。しかし、実際のところ、先の五大都市選挙での国民党の事実上の敗北を受けて、金のこれまでの強引な党改革や候補者選定に対する党内「守旧派」の反発が吹き出し、馬総統も抗しきれなくなったと読み解くべきです。

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