台湾の空軍は、米国製のF16、フランス製のミラージュ、自主開発のIDF「経国号」の三種類の戦闘機を保有して、台湾海峡の最先端で中国空軍と向き合ってきた。歴史的に、台湾海峡における空の優勢は、1949年の中台分断以来、台湾側は一度も中国に譲ったことはなく、それこそ、蔣介石の妻・宋美齢が空軍の指導者として米国から戦闘機を調達し、激しい訓練で練度の高いパイロットを養成することで、人民解放軍の空軍を寄せ付けない伝統を誇ってきた。
現在の三種類の戦闘機はいずれも1990年代に調達されたか、調達が決まったもので、世代的には一世代前のものばかりである。中国が導入を進めるソ連製スホイや自主開発「殲」シリーズに対抗するうえでも、米国からF16のアップグレード版であるC/D機をどうしても売ってほしいと台湾は考えてきたし、米国内でも台湾海峡の軍事バランスを重視するグループ、例えばアーミテージらの一派は強く、台湾側への売却をサポートしてきた。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン