ニューハンプシャー州予備選挙:ロムニー連勝の意義とサントラムへの打撃

執筆者:足立正彦 2012年1月13日
タグ: アメリカ
エリア: 北米

 アイオワ州党員集会でリック・サントラム元上院議員(ペンシルベニア州)を僅差で破ったミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事は、今月10日に行なわれたニューハンプシャー州予備選挙でも勝利して「序盤州」での連勝を果たした。1980年以降、アイオワ州党員集会、ニューハンプシャー州予備選挙のいずれの争いも制した候補はロムニーが初めてである(表参照)。

 

 2008年共和党大統領候補選出プロセスではロムニーはアイオワ州党員集会のために総額1000万ドルを投入し同州で積極的な選挙キャンペーンを展開した。だが、同党員集会の参加者の60%以上を占めている福音派キリスト教の有権者の支持を獲得した元牧師のマイク・ハッカビー前アーカンソー州知事に敗れている。そのため、今回のアイオワ州党員集会での選挙キャンペーンでは、昨年8月の共和党大統領模擬投票(ストローポール)のための積極的な選挙キャンペーンは行なわず、ロムニー自身がアイオワ州での選挙キャンペーンを本格的に開始したのは、相次ぐ失言などによりリック・ペリー・テキサス州知事の支持率が急落した10月以降であった。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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