クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

私の高速バス体験記

執筆者:徳岡孝夫 2012年5月10日
エリア: ヨーロッパ アジア

 時速90キロの大型ツアー・バスが関越自動車道の遮音壁に突っ込んで死者7人、重体・重傷14人。  助かった乗客によると、出発前にシートベルトはどこかと問うと、運転手は「バスの中でシートベルトする人はいないよ」と答えた。それでも探してベルトをしたから、死なずに済んだのかもしれない。  また「あの運転手は何度も急ブレーキを踏み、ナビを見ていた。明らかに地理に不案内だった」と語る乗客もいた。そういう証言より河野化山運転手(43)自身が「居眠りしていた」と認めた。  運転の実態が分ると共に、バス会社の経営実態も分り始めた。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
徳岡孝夫(とくおかたかお) 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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