共和党穏健派の重鎮「ルーガー上院議員」敗北の衝撃

執筆者:足立正彦 2012年5月9日
エリア: 北米

 今月8日、インディアナ州選出連邦上院議員選挙の共和党予備選挙が行なわれ、現職のリチャード・ルーガー上院議員がティーパーティー(茶会党)運動支援勢力の全面支援を受けた同州財務長官のリチャード・マードックに大敗した。穏健派共和党上院議員の「最後の重鎮」であるルーガーは、現在の任期が満了する来年1月に36年間に及ぶ上院議員生活に終止符を打つことになった。オリン・ハッチ上院議員(ユタ州)とともに、現職の共和党上院議員としては最も在職期間が長いルーガーは、インディアナポリス市長を経て、1976年に上院議員に初当選して以来、上院外交委員会委員長を歴任するなど外交分野で大きな影響力を発揮し、旧ソ連崩壊後には核兵器の廃棄などに積極的に取り組んできた政治家である。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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