いまだに経済的自立を果たすことができない旧東独地域。再建事業を放棄したかに見えるシュレーダー政権の視線は別の方向に……。[ベルリン発]「Wir Sind Das Volk!(我々はれっきとした国民だ!)」 今年の短い夏が終わるころ、十五年前にベルリンの壁を突き崩すひとつの力となった旧東独ライプチヒの「月曜デモ」が、新連邦州と名を変えた旧東独各地で復活した。参加者は減りつつあるものの、今も続いている。市民の抗議の矛先が向けられたのは、かつての社会主義統一党(SED)の専制ではなく、今回はゲアハルト・シュレーダー首相率いる中道左派連立政権の社会保障削減策だった。

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