対テロ戦争で連携を強めてきた米国とパキスタンの間に、アル・カエダ幹部の追跡をめぐって軋轢が起きている。 米中央情報局(CIA)のゴス長官が六月のタイム誌とのインタビューで、オサマ・ビン・ラディンがアフガニスタン国境に近いパキスタン領内に潜伏していることを示唆したように、米情報機関はパキスタン側からの十分な情報提供があれば、アル・カエダ幹部の捕捉は可能とみている。 実際、パキスタンは五月にアル・カエダの最高幹部の一人とされるアブファラジ・リビ容疑者を国内で拘束し、米国に引き渡した。しかし、米情報筋によると、他のアル・カエダ幹部追跡ではパキスタン側から十分な協力は得られていない。パキスタン国内に根強い反米感情への配慮のためだという。

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