「クリミア併合」の裏側:「中国」「ウクライナ」の接近を恐れたロシア

執筆者:名越健郎 2014年5月27日
エリア: ヨーロッパ アジア

 5月20日上海で行われた中露首脳会談は、翌日天然ガスの大型供給契約に合意するなど成果があったが、プーチン大統領と習近平国家主席は終始険しい表情だった。中露首脳会談は常に、「両国関係は史上最良」と称え合うのに、首脳同士はいつも緊張に満ちた表情が目立つ。今回、習主席はその直後、ナザルバエフ・カザフスタン大統領との会談で終始笑みを絶やさなかっただけに余計違和感があった。背後には、習主席が提唱した「新シルクロード計画」が、ロシアのクリミア併合で潰されたことへの不満があったかもしれない。

 

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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