フィリピン国内で反政府武装闘争を続ける新人民軍に対し、アロヨ大統領は、国軍に掃討作戦を指示、「作戦は最終段階に入った」として今後約二年で新人民軍を完全に壊滅させると宣言した。 しかし、政府の国家安全保障担当のゴンザレス顧問が「大統領のいう二年では解決できない、五年はかかるだろう」と異論を唱え、政権内部での意思不統一が露呈した。 フィリピンでは、経済改革の行き詰まりや政治家の腐敗、身びいきによる不公平などに対し国民の不満が高まってきており、マニラ首都圏で最近相次ぐ爆弾騒ぎや、ことあるたびに再燃するクーデターの企ての噂など、アロヨ大統領は四面楚歌の状態にある。

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