経済の頭で考えたこと (70)

「世界デフレ」をも引き起こしかねない「中国経済」の多難

執筆者:田中直毅 2014年11月14日
エリア: アジア

 10月下旬、北京を訪れた。ちょうど1年振りの北京訪問だったが、変化していないのは大気汚染である。PM2.5と呼ばれる微粒子がもたらす息苦しさを気にしないわけにはいかない。中国人は海外旅行を「洗肺」と表現するようになったという。11月第2週目の北京でのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)開催の折には、1週間の臨時休業と北京市内への自動車の乗り入れ規制が行われた。プレート番号を偶数と奇数に分けて、日替わりで片一方を侵入禁止にする「APECシフト」をとるに至ったのだ。

 

3つのD

 democracy(民主主義)、deleverage(債務負担の軽減)、deregulation(規制緩和)の3つのDが今日の中国の今日を映し出している、というのが私の総括だ。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
田中直毅(たなかなおき) 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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