西武問題に船頭多くしてもうひと揺れの予感

執筆者:Foresight 2006年12月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 みずほフィナンシャルグループから送り込まれた後藤高志社長のもとで経営再建を進める西武ホールディングス(HD)。米投資ファンドのサーベラスなどの出資を仰いで再建を進めるが、最近になってサーベラスに次ぐ大株主である日興プリンシパル・インベストメンツが「出資引き揚げと、他社への西武HD株式譲渡を模索している」(大手投資銀行幹部)という。 その理由は、「経営陣の足並みの乱れ」(西武グループ関係者)。みずほ出身の後藤氏、旧運輸省出身の平野直樹会長のほか、サーベラス幹部や堤義明氏の意向を受けた幹部などもおり、「意思決定が遅いうえ、様々な意向を背景にした幹部の思惑から日興の意見が通らず投資のうまみがない」(同)ためのようだ。また、再上場で投資回収を目論むものの、「コクド株の所有権をめぐる創業家一族の係争で、経営が再度混乱する可能性」(同)も残っている。

カテゴリ: 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f