去る九月末、ある観光客が中国・遼寧省を訪れた。北朝鮮が核実験を行なう直前のことだ。観光客は鴨緑江をはさんで中国と向き合う北朝鮮側に足を踏み入れる機会を得た。筆者は、その観光客の存在を知り、短いながらも珍しい“北朝鮮滞在”について聞き取り調査をすることができた。観光客は写真も撮っていた。北側ではもちろん、中国側でも国境付近は監視の目が光り、おおっぴらに写真撮影をすることなどできない。観光客は、監視の目をくぐり、簡易カメラですばやくシャッターを押したという。ここに掲載する写真のいくつかがややピンぼけ気味なのはそのせいである。以下は、観光客が語った中朝国境付近に見る「北朝鮮の現実」だ。
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