「家庭の幸せを祈る」:北朝鮮「新年の辞」異例の結語

執筆者:平井久志 2015年1月9日
エリア: アジア

 2015年は朝鮮半島の視点からは植民地支配からの解放70年、分断70年という区切りの年である。北朝鮮では、朝鮮労働党が創建されて70周年の年である。

 北朝鮮ウォッチを続けていると、元日は「休日」ではなく「仕事」の日になってしまう。北朝鮮の最高指導者の「新年の辞」が発表されるからだ。北朝鮮の「新年の辞」は前年を総括し、その年の路線を提示するという意味では、北朝鮮ウォッチャーにとっては欠かせない文献である。毎年、これを読み解くことから新年が始まる。

 かつては雑音だらけのラジオで「新年の辞」を聞いたが、今は、インターネットで北朝鮮住民と同じ時間帯に、最高指導者の演説する姿を見ながら「新年の辞」を聞くことができる。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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