「遺伝子検査」で危惧される「差別」「プライバシー」の問題

執筆者:大西睦子 2015年1月13日
タグ: イギリス 日本
エリア: ヨーロッパ 北米
 日本でもようやくサービスが始まったが……(C)時事
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 私たちの大切な遺伝子情報は、半分は父親から、残りの半分は母親から受け継いだもので、生涯変わることはありません。そしてその情報は子どもに受け継がれます。その遺伝子情報には、将来に発症する可能性のある病気のリスクが隠されています。最近、遺伝子検査により、個人の遺伝子情報に基づいて病気の予防や早期発見、治療が可能となってきました。2013年、ハリウッドの人気女優アンジェリーナ・ジョリー(39)がこの検査を受け、将来の乳がん予防のために乳房切除手術を受けたというニュースは世界中に流れたため、記憶している人も多いでしょう。

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執筆者プロフィール
大西睦子(おおにしむつこ) 内科医師、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。
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