饗宴外交の舞台裏 (111)

「女人禁制」に戻ってしまったイランの外交団招待式典

執筆者:西川恵 2007年4月号
エリア: 中東

 イラン革命記念日(二月十一日)前日の十日、テヘランでは外交団の長を招いて、イラン政府主催のナショナルデーの式典が催された。 会場は首都テヘランの中心街にあるイスラム諸国会議機構(OIC)会議場。定刻の午後二時、黒塗りの外交ナンバーの車が次々と車寄せに到着した。各国大使は外務省儀典官に控えの間に案内され、そこでソフトドリンクとカナペのサービスを受けながらしばし歓談した。 今年は昨年までと違って華やかさに欠けていた。というのはカップルで招待されていた昨年までと異なり、大使単独の男性だけの招待となったからだ。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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