ユダヤ人スーパー立てこもり事件の容疑者アメディ・クリバリが、師匠ジャメル・ベガルに再会するまでの軌跡を、しばらく追ってみたい。少し回り道になるが、彼のメンタリティーを垣間見ることができるだろう。
クリバリがフルリ=メロジス刑務所に収監されていたのは、2005年1月31日から8月25日までである。その後いったん社会に復帰するのだが、少年時代から車上狙いや強盗を重ねてきた彼のことである。2007年、麻薬取引の罪で受けた1年半の禁錮刑を務めるため、同じ刑務所に舞い戻ってきた。前回の刑期中に窓越しの親交を深めたベガルは、もういない。すでにその前年の3月、別の刑務所に移されていた。
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