競輪、オートレース、競馬――。いま、全国で公営ギャンブルの廃止論議がかまびすしい。理由はただひとつ。売上が激減し、赤字が慢性化しているからだ。ただ、その衰退は奇貨となるかもしれない。行き詰まった末の苦しまぎれの動きとはいえ、これまでギャンブルの運営にあたってきた特殊法人のあり方を是正できる可能性があるのだ。 三月二十九日、ひとつの法案が参議院を通過した。自転車競技法・小型自動車競走法改正案。競輪とオートレースの売上はピーク(一九九一年)の半分以下に落ち込んでいる。背景にあるのは娯楽の多様化だ。改正法案は、学生でも二十歳以上なら車券を買えるようにするなど裾野拡大を狙うが、衰勢は変わらないだろう。
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