【インタビュー】シニッカ・サロ(仙台フィンランド健康福祉センター研究開発館館長) フィンランドと仙台が提携寒い国から来た福祉のプロ

執筆者:草生亜紀子 2007年6月号
タグ: 日本
エリア: ヨーロッパ アジア

「歯科医としての専門知識だけでなく、人と人、企業と企業をつないでネットワークを作ることなど、持てる力をすべて総動員して、このやりがいのある仕事に当たってきた二年間でした」――六月の離任を前に、仙台フィンランド健康福祉センター研究開発館初代館長のシニッカ・サロさん(四九)は語る。 センターは、高齢者の自立支援や在宅介護支援のために、IT(情報技術)を活用した付加価値の高い福祉機器やサービスを研究開発する目的で、二〇〇五年三月にオープンした(併設の特別養護老人ホームはその前年末に開所)。ビジネス拡大のためアジアの拠点を探していたフィンランド政府が、誘致に名乗りを上げた日本の自治体の中から仙台市を選び、提携がなった。フィンランド政府と企業、そして仙台市と地元企業および東北大学など地元大学が、共同開発のパートナーを見つけ、試作品を隣接の老人ホームで試して完成度を高めるという、世界でも他に類をみない研究施設だ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
草生亜紀子(くさおいあきこ) 翻訳・文筆業。NGO職員。産経新聞、The Japan Times記者を経て、新潮社入社。『フォーサイト』『考える人』編集部などを経て、現職。
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